平成リーマン投遊記

平成生まれのサラリーマンがゲームしたり、遊んだり、投資したり、旅行するブログ

【投資】Kratos Defense & Security Solutions(NASDAQ: KTOS)とは

【KTOS(クラトス)について】

【投資】と銘打っておいていきなり投資話から脱線します。


2018年8月、平成最後の富士総合火力演習を見学した時、印象に残っている解説があります。


『現在の戦争は航空優勢(制空権)、海上優勢(制海権)に加え、電磁優勢も重要な要素になっている』と。


2020年にはハイテク企業群のGAFAMが株式市場をけん引しましたが、これは何も民間の話だけではありません。


KTOS社の主な事業としては【エネルギー兵器、無人システム、衛星間交信、サイバー/戦争時のセキュリティシステム、ミサイル防衛システム】等々・・・


あまり軍事に興味が無い方でも聞いたことのあるキーワードではないでしょうか?

以下リンクに画像付きで事業が説明されているので興味のある方はどうぞ。

一番イメージしやすいと思います。


https://www.kratosdefense.com/technologies


設立も1994年と比較的若い会社で次世代の戦争(=電磁優勢)に事業を集中させています。


特に無人戦闘機(ドローン)の分野に力を入れており国際情勢騒がしい昨今、投資テーマとして非常に面白い銘柄だと思います。

【チャート】




直近で変動が激しいタイミングを纏めてみました。


株価については当日のスポット価格を適当に割り当てているのでどの程度のボラティリティがあるのか、参考程度にお願いします。


・2019年7月31日 USD 24.6 ⇒ 2020年8月1日 USD 20.3
株価・・・17%下落
要因 ・・・決算発表後の利確 or 失望売り?


・2020年2月20日 USD 20.5 ⇒ 2020年3月23日 USD 10.3
株価 ・・・50%下落
要因 ・・・コロナショック


・2020年7月22日 USD 15.9 ⇒ 7月24日 USD 19.4
株価 ・・・22%上昇
要因 ・・・アメリカ空軍がクラトス含む、4社に軍用AIドローンの開発プロジェクト(スカイボーグ計画)で数量未確定契約を発表したため(=コンペに参加するのが4社に絞られた)上昇。
クラトスはXQ-58 Valkyrieをオファー。


競合先は軍事業界で名だたる名門ばかりです。簡単に比較してみると・・・
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アッ、圧倒的格差ッッ・・・。

無論、これまでの納入実績も加味されると思いますので非常に厳しいコンペになるでしょう。


・2020年11月30日 USD 21.1 ⇒ 12月8日 USD 24.2
株価 ・・・15%上昇
要因 ・・・クラトス社が3,777万ドルでスカイボーグ計画における試作品を受注。ボーイング社、ジェネラルアトミクス社も受注しており、グラマンは辞退した様子。


(しかし、どれだけ調べても発表は12月8日なのに何故、11月30日から上昇していったのかは謎。インサイダー・・・?)


・2020年12月16日 USD 23.5 ⇒ 12月21日 USD 26.2
株価 ・・・12%上昇
要因 ・・・XQ-58AValkyrie5回目の飛行試験に成功。但し通信試験には失敗し、まだ課題が残る。


傾向として決算が良いから株価が上がるのではなく、Valkyrieに関するニュースに相関して変動しているように見受けられます。


現状、ポジティブなニュースが多いので株価は右肩上がりですが、もしテストに失敗した場合、若しくは失注した場合の株価への影響は非常に大きいものとなるでしょう。

【財務状況】

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2019年からは黒字化しているものの、それまでは軒並み赤字。(これまで株価が振るわないのも納得できますね)


黒字化した2019年も営業利益率は5.3%とメーカーとしてはボチボチ、ハイテク産業と捉えると少し寂しい印象・・・。


但し、売上高は順調に推移しているため、今後の伸びに期待とします。

【指標】

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PER高すぎ!


日本上場企業の場合、PERは15倍以下なら割安とする傾向がありますがそれにしてもお高い・・・


EPSが0.1$と少ないためではありますが、期待に実際の収益が伴っていないようですね。


PBRについてはPERほどの過熱感は見受けられません。


2019年の自己資本比率が48%と財務面では健全性が保たれているためPERに比べ、安心感はありますね。


反面、自己資本比率が高い企業の宿命というべきか、ROEROA共に低い水準です。

【XQ-58 Valkyrieについて】


XQ-58 Valkyrieは一機あたり300万ドルと非常に安価です。

参考として、F15-EX (基礎設計40年前ながらもコスパ優秀有人戦闘機)、F35(最新鋭の有人ステルス戦闘機)の調達単価は1.0億ドル~1.3億ドル/機で値差は30倍-40倍程度になります。


Valkyrieは偵察、爆撃機用途なので、上記の戦闘機との単純比較はできませんが大きくコストを削る事が可能です。


(日本がかつて誇ったゼロ戦の調達価格が現在の貨幣価値にして1億円-2億円と言われております。戦争にも金の掛かるようになりましたね)


300万ドル/機の商権を確立出来るのであれば2019年売上高:7億ドルのクラトスの売上規模は間違いなく拡大します。


更に航空機にはメンテナンスが必須であり、またハッキングやジャミングされないよう(=電磁優勢を保つよう)日々アップデートの必要もあり、ストック型ビジネスに成長し得る可能性も秘めています。



【総括】

投機性の高いXQ-58 Valkyrie銘柄です。


一介のサラリーマンである私が米軍の新兵器評価なんてわかるわけもないので予測を立てることは不可能、評価が良いか悪いか、採用見通しも全くわかりません。


最終的にXQ-58 Valkyrieが受注出来なった、ないし、試験評価がネガティブのニュースがあった際、暴落可能性大です。


但し、戦闘機の無人化は民間企業のDX化と同じく止められるはずもありませんし、こうした流れは今後も継続します。


そのように考えれば仮にValkyrieを失注し、株価が暴落したとしても、他のビジネスにも転用出来そうな環境・土壌は揃っているため、長期投資を視野に入れるのであれば、下落時こそ買い場なのかもしれません。


ちなみに管理人はUSD 16.02で150株購入済み。


2023年末までに量産可能な試作品完成が目標との事なので当面ホールド予定です。


順調に推移はしているは良いですが、買い増しのタイミングもなかなか見つかっておりません・・・もし下落する事があれば買い増しを検討します。


以上、クラトスの銘柄分析でした。


最後になりますが、あくまで株式投資は自己責任になりますのでその点、ご留意ください。


【おまけ】


XQ-58 Valkyrieの飛行映像のリンク。
www.youtube.com